思いやりのパス
職場の教養【8月26日】掲載より
「思いやりのパス」
営業暦6年のFさんは、取引先との商談を数多くこなしています。
後輩への商談を引き継ぐ際は、多忙のあまり細部まで指示出来ません。
たとえ取引先が破談になっても、後輩の問題で自分には関係がない。と思っていました。
仕事で疲れてくたくたになった帰り道、ふとFさんの脳裏に、高校時代のバスケットボール部の
練習風景が蘇ってきました。
真夏の蒸し暑い体育館の中、激しいフットワークやコートを何回も往復しながらの
練習でした。その後、試合に出場したFさんは、決定的なチャンスの場面でタイミングの悪い
パスを出してしまったのです。
試合終了後、顧問の第一声がFさんに向けられました。「苦しいのはみんな同じだ。なぜ
チームのために、もっと思いやりのあるパスが出せないんだ」。皆の前で一括され
悔しさと情けなさにかられたことを思い出しました。
苦しい時は、つい自分本位になりがちです。いかに思いやりのパスを出せるか。
仕事が忙しい時ほど、その人の真価が問われるのでしょう。
弊社では、朝礼時に職場の教養を読み感想を述べたりしますが、
今回の「思いやりのパス」には、共感する部分が多く自分本位の行動ではなく
まわりを見ならがアドバイスが出来るよう心掛けたいと思いました。
中 田